*N先生に捧ぐ*

平成15年5月3日
私のホームページで最も多く登場していただいたN先生が4月28日に心筋梗塞で亡くなったと、突然の訃報が入ってきました。
知らせを聞いてもとても現実のこととは思えませんでした。
もっとも信頼していて、満理子の回復に一番尽力してくれて、私が今の仕事に就くきっかけをくれて、これからの仕事の一番の理解者で協力者になるはずだった人なのに・・
あまりにも大きなショックでしたが、我が家への大きな功績をリハビリ日記とともに残したくて、ここにN先生の思い出を残しておきます。
退院して2年ほどは月に1回ほどの通所リハビリを受けていましたが、頻度が少なくて意識レベルの向上もあまり無く、身体の機能も低下していくばかりでした。
N先生と初めてお会いしたのは、介護保険が施行されて、訪問リハビリをお願いしたときでした。
私は、それまでリハビリや福祉の知識があまりなく、先生が初めて来られたときの訓練を見て驚きました。
リハビリとは、単に体の機能回復だけと思っていましたが、先生の訓練は人が人間として生活することの訓練だったのです。
いろんな器具を使ったり、工夫して、患者に訓練する興味を持たせ新しいことにどんどん挑戦させて本人にも家族にも希望を持たせてくれました。
リハビリ日記をぜひ見直してください。満理子の表情が最初の頃と最近とでは全く違っているのがおわかりいただけると思います。
肉体的訓練だけでなく、本人や家族の精神的リハビリ、そして、生活を向上させるための福祉用具や制度の利用など豊富な知識でいろいろなことを教えてもらいました。
その技術と情熱と知識と向上心は、若くして茨城県の作業療法士会の会長に抜擢され、治療だけでなく、講演や施設への介護技術の指導などにも積極的に活動されていたのです。
先生は、訪問リハビリをとても重要視されていました。 生活の中で家族とともに訓練することで社会復帰に大きな効果があることをよく話されていました。 その活動は、「月刊ケアマネージメント」(2002.5月号)にも取り上げられ、満理子の訓練を例に掲載されました。
その情熱には頭が下がり、私にも大きな影響を与えたのです。 私が今福祉の世界に足を踏み入れたのも、先生を見て感じ取ったからです。
その情熱に燃え、昨年、先生は新しい病院に移られ、先生の目指している活動に入られたばかりでした。
先生の情熱は、今、満理子を担当してくださっているI先生に受け継がれ、その精神がいろんな人に引き継がれていくことを強く望みます。

先生とは引っ越しされてからも、頻繁に連絡を取り合い、いろいろな助言を受けていました。
今年の7月には、またカヌー教室でお会いすることを約束していたのに、その約束を破られてしまいました。
昨年のカヌー教室でお会いした奥様や3人のお子さまのことを考えると言葉もありません。
書きたいこと、思い出は山ほど有るのですが、思い出すのがつらいです。
短い間でしたが、こんなに中身の濃いおつきあいをできた方は初めてです。
今は、天国に行っても、温かく見守っていてほしいと思います。

合掌・・・・・
リハビリ日記
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