満理子のリハビリ日記

ステージ4
1.「あけぼの」
2.音楽療法
3.キーボードPart2
4.テレビゲーム

1.「あけぼの」

平成13年1月6日
取手市の福祉施設の「あけぼの」の中の心身障害者福祉センターでリハビリ訓練を受けるようになって、2年ほどになります。
なかなか、見学する機会がなかったのですが、2001年最初の訓練を覗いてきました。
スタッフの方は皆、障害者対策に熱心に取り組んでおられる方ばかりで、いろんな相談に乗っていただいています。
月に2回、近くの病院のP/Tの先生が出張訓練に来られます。 基本的には団体訓練ですが、順番に個別治療もしてくれます。
いつも、7,8人の障害を持った方達がみえます。 写真はプライバシー保護のために写していません。
左の写真は、訓練室の全景です。奥の方で7人の利用者の方達が体操をしています。満理子は左のベッドに寝ていてまな板の豚の如く、先生が来られるのを待っています。

個別訓練はこのベッドか、別室の和室で行われます。 今日の利用者の中では満理子が一番障害が重いようです。
今日の先生は女性です。 いつも熱心に訓練をしていただき、患者のことを考えてやっていただいています。
若い、華奢な体格で、極太の満理子の訓練をしていただくのは見ていて気の毒になってきますが、そこはプロでテクニックを駆使してやられています。
また、うちに訪問リハビニに来ていただいている先生とも連携を取っていただいているのでより効果的だとも思います。

 
 ピースサインを出してご機嫌な満理子                       必殺技          

訓練の後は、リハビリを兼ねた「すき焼きゲーム」大会が始まりました。 じゃんけんをして、勝った人がカードを引く権利を得て、自分でカードを取り、たくさん集めて得点の多い人が勝つのです。 
満理子も途中から参加しました。 じゃんけんはかろうじてできるのですが掛け声のあとすぐに何を出すかを決めて、手を形にすることができず、いつも「グー」ばかりです。
しかし、最終的に運良く2位になり、ヒンシュクをかいました。 みなさん、和気藹々でとても楽しい雰囲気です。スタッフの方達との関係もとても自然です。
この環境だったら、続けられると思いました。

2.音楽療法

平成13年1月6日
平成12年の10月から音楽療法を始めました。 前項の「あけぼの」で月に1回治療を受けます。
現在、まだ2回しかやっていないのですが、今までと違った効果や発見がありました。
最近、話題になっている音楽療法はアメリカではメジャーな治療方法らしいですが日本ではあまり知られていないようです。
音楽を通して、眠っている意識を再生したり、脳の活性化を図るようです。

毎回、満理子に合わせたのメニューを作ってきて、それにしたがって「あけぼの」のスタッフの方達と治療を進めています。
そのメニューは治療後に、私にも配布していただき、そこには細かく、活動内容とその目的とその効果や評価が書いてあります。
また、治療風景をビデオにとってそのテープを見せていただいて、実際の様子を確認することもできます。
写真はビデオ映像を撮影したものです。

  
スタッフの方達と合唱 
 
満理子の好きな曲についてエピソードを聞く      雰囲気を出してトライアングルを演奏

大体、治療は30分くらいかけて、ゆっくり進行します。
最初に、定番の曲を聞き治療開始のスイッチを入れます。
そのあと、満理子の好きな曲を聴きそのエピソードを聞いたり、それについて会話を膨らませていきます。(能動的思考の誘導)
会話は意味のある会話をし、脳の活性化を図る効果を期待しているそうです。
また、季節感のある曲を聴いて、その曲からイメージを膨らませることもします。 それに関連することに会話を持っていき、興味を持ち参加するという意欲行動と、想像力を強化します。
また、楽器の演奏(シンバルやトライアングル)し、治療に対する興味を待たせる。 これは運動機能の訓練にもなると思います。
以上のように短時間ではありますが非常に中身の濃い訓練で、当初はあまり期待していなかったのですが、早くも今までになかった変化がありました。
まず、帰ってきて治療内容を比較的正確に教えてくれます。 今までは、何処かへ行っても帰ってきたら、何処へ行ったかの記憶がありません。
また、ビデオを見てその時の情景の説明もしてくれます。
かなり、強い印象が残っているようで、今後の治療の成果が期待できます。

それにも増して、お喋り好きの満理子は先生やスタッフの方達とのお喋りがとてもうれしいようです。
ビデオの満理子のとてもうれしそう顔を見るだけでも、ありがたく思いました。

3.キーボードPart2

平成13年2月6日

先日の訓練日は病院で実習をされている学生さんがいっしょに見えました。
大学で、リハビリを専攻されているそうで、今回は在宅での訓練の勉強です。
その日の訓練は、通常のストレッチのあと、自分の髪の毛を手入れする訓練と、文字を書く訓練をしました。
以前、訓練で用いた柄を長くしたブラシを使って、練習をしたのですが、これはかなり難しいようです。
手首の動きだけだと、長く伸ばしたブラシでは先の方の動きをコントロールできず、そのうえ緊張してくると震えが出てくるので、ますます思ったところにブラシ部分を移動することができません。 これは、当分無理そうです。
次に、字を書く練習をしました。 これは、まあまあで、少しづつ進歩しているようです。
訓練をしている間、学生さんは明るく励ましたり、感想を聞いたりしていました。
患者の治療に当たって、明るく接するというのはとても大事なことだと思います。
どんな治療でも患者はつらいものです。 そんな時、明るく接してくれたら、少しは気が安らぎます。 今回来られた学生さんは聡明な上にとても明るい、感じの良い方でした。 きっと、いい作業療法士になられると思います。

次の訓練日。
今回は、キーボードを押す練習でした。以前使っていたものが壊れたので新しい機械でした。
この装置は、言葉でうまく意思を伝えられない人が、キーボードで打ちこんだ言葉を音声に変換するものです。
前の訓練の時は、目的のキーを打つとき先生が手伝っていたのですが、今回は目的のキーを認識することができ、指をそのキーのところまでもっていくことができました。
以前と大きく違うところは集中力が出てきたことです。今自分が何をやらないといけないのかを自覚しています。
手の動きもかなりスムーズになりました。 しかし、小さなキーを指先で押すのは、まだ少し難しいようです。
しかし、20回くらいのキーを押す練習のうち、5回くらい完全に自分の力で打つ事ができました。
ON/OFFのキーや、絵で表現したキーの認識も完全にできていました。
写真を見ていただければわかるように、目線がしっかり目的のところを見ています。 これは今までに無かったことなのです。

 
目線が集中力を物語っています。

4.テレビゲーム

平成13年4月24日
久々の、リハビリ日記更新です。
最近、新しい車椅子の調整や、基本的な訓練が多かったため、あらためてお報せすることが無かったのです。
前回の訓練から、テレビゲームを訓練に取り入れてくださり、新たな発見がありました。

プロローグとして、いつものストレッチをやりました。 肘の硬さは相変わらずで、訓練のあとは痛みが残ります。
その後、車椅子に移り、肩や手首を意識的に大きく使ってお手玉を取る訓練をし、集中力を高めます。
口の方は、だんだん達者になり、そのお手玉は地味なのでイヤだ、などと注文をつけていました。
車椅子が変わり、座る姿勢が良くなったためか、以前に比べ手の動きもスムーズです。

 

次に、幼児向けのテレビゲームを使い、手の動きと判断力の訓練をしました。
アンパンマンの仲間がクイズを出し、その答えをキーパッドを押して答えるものです。
プレイステーションのオプションのキーパッドは大きくて押しやすそうです。
問題は簡単なので、すぐにわかるのですが、目的のキーまでなかなか手を持って行けません。
やっと、キーのところに手が行ってもそれを押すのが難しそうです。 キーのスイッチが入るまでのストロークが長くて入力ができません。
それに、あまりにも幼稚な問題ばかりで、満理子はご機嫌斜めです。
そこで、もうひとつ別のソフトを試しました。

それは、「免許を取ろう」というゲームで、運転免許を取得するために、学科試験や実地試験を模擬したゲームです。
その中の、適性検査をやってみました。
項目は、判断力や瞬発力などを検査するものです。 瞬発力は当然だめでしたが、判断力はまずまずでしたが、結果を入力するのにやはり時間がかかります。
このゲームは大きなキーパッドは使えず、通常のコントローラーしか使えないのです。しかし、ボタンのストローク短く敏感なので、スイッチは入りやすかったようです。
この検査の中で、簡単な計算問題が出てきたのですが、今まで数字に関しては全くだめだと思っていたのですが、目で問題を読み暗算をしたのです。
間違いも多かったのですが、その間違いも、全くの間違いではなく関連のある結果をだしたのです。
しっかり、数式を理解して、頭の中で整理し、計算をすることができたんです。 これは大きな進歩だと思いました。

 

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