満理子のリハビリ日記Part2

ステージ4
1.頚椎カラー その1
2.頚椎カラー その2
3.スイッチ操作
4.頚椎カラー その3

1.頚椎カラー その1

平成14年7月1日

最近のリハビリ訓練において、パソコン操作や茶道教室をやっていて、どうしても集中力が持続しないという問題がありました。
音楽療法でも、これは目標達成の課題にもなっていました。

その原因として、長時間、訓練で緊張が続くと、斜頸がひどくなり、首が大きく右に傾いてしまいます。
そうすると、目線も定まらなくなり、疲れも出てくるのではないかと思われました。
だからといって車椅子を後傾させて、リラックスさせると、他に気が散って、よけいに集中しません。

そこで、O/Tの先生とも相談して、訓練の間だけでも、頚椎カラーをはめて、首を強制的に直立させ、目線を安定させてみようということになりました。
頚椎カラーは、医療保険で購入できるので、満理子の主治医に前もって了解を得て、満理子に合ったカラーを選択して、購入することにしました。

7月最初の訪問リハビリの日、I先生が今回の訓練で試してみる頚椎カラーを1種類持ってきてくれました。
ヘッドマスターカラーというものです。
すっきりしたデザインで、あまり大げさに見えないので、いい感じです。
いつもの、ストレッチの後、車椅子に移動し、早速装着してみました。

 

まず、何も考えずに装着してみました。 そうすると、まず、鎖骨に当たる部分が痛いと言いました。
あごを乗せる部分は、パッドが入っていますが、そこ以外は、ワイヤーにカバーがしてあるだけで、クッション性がありません。
そこで、鎖骨があたる部分にタオルをはさみました。
次に、首が右に傾くのを強制するので、頬が、ワイヤー部分の曲がり部に接触し、そこで、頭を支えるのでやはり痛がったので、頬にもタオルを入れました。
接触による痛みは、これで解決しました。

次に姿勢ですが、このカラーは、基本的に頭が前に傾かないように、あごを支えるものです。 だから、訓練のために下を向くことが難しいので、ワイヤーを曲げて、できるだけ下を向いた状態で固定するようにしました。 しかし、下を向かせると、右傾の拘束も甘くなり、傾いてしまいます。 できるだけ、傾かないように、ワイヤーを曲げたり位置を変えて、妥協点を探しました。

 

結局、あまり下を向けないので、上の写真のように、スイッチを高くし、見え易いように傾けた状態で使ってみました。それによって、手を持ち上げなければいけないので、ポータブルバランサーをつけて、手を上げやすいようにしました。

ごらんのように、このカラーは、あまり強い拘束力がないので、だんだん、首が傾いてきて、最後には、あまり装着してないのと同じようになってしまいました。
それにしたがって、カラーを固定するベルトが首に食い込んできて、痛くなってきました。

今回、装着したカラーによる効果は、接触部にクッションを入れないと痛みがあり、横への拘束力があまりない。
そして、下を向いた状態での固定も難しい。
少し工夫すれば、何とか姿勢を維持でき、その間は目線も定まり、訓練にも集中できたが、だんだんずれてくるにしたがって、いつもの調子になってきて、カメラ目線になってしまった。

次回の訓練のとき、また、違うタイプの物を持ってきていただき、試してみます。
幾つかの種類を試して、その中から、一番目的にあったものを選択して、リハビリに生かしていこうと思っています。
次回の訓練の様子も、また、ご報告します。

2.頚椎カラー その2

平成14年7月8日

前回に引き続き、今回は2種類の頚椎カラーの試着をしました。
まず、ソフトカラーを試しました。
長方形のスポンジを首に巻きつけて固定します。
3種類の硬さのものを用意されましたが、その中の一番固いものを試しました。
固定感はまずまずで、左右の拘束もできています。 痛みもありません。
ただ、あごの当りが浅いので下を向くことができません。 少し、加工してあごの拘束を楽にすれば使えるかもしれません。
ただ、この時期にはちょっと暑いですね。 長時間の使用にはかなりつらそうです。 満理子も汗をかいていました。

  次に、フィラデルフィアカラーを付けてみました。
これはかなりフィット感もよく、拘束性もよさそうです。 硬質スポンジで整形されていて、痛みもありません。
ただ、装着するのが、ちょっとやりにくいかな。
今まで、試した中では、一番よさそうです。

今回は、満理子は疲れ気味で、ぜんぜん集中力がなく、訓練自体はあまりはかどりませんでした。
カラーについては、急ぐわけではないので、他に良さそうなものがあれば、また、試してみたいと思います。

3.スイッチ操作

平成14年7月22日

前回試したフィラデルフィアカラーで、スイッチ操作をしました。
O/TのI先生が満理子のために作ってくれた、マウス操作ボタンを使って、ハーティラダーというワープロソフトで文字入力をしました。
カラーをはめても、若干頭が傾くので、その目線方向にパソコンを置き、画面に集中させるようにしました。

 

比較的、画面を見るようにはなりましたが、やはり、常に注意を促さないと、自分の世界に入ってしまいます。
大きな声で、今何をすべきかを、喚起させます。

このスイッチは、もう何度も使っているので、ボタンの機能は把握してきました。
どのボタンがどういう機能を持つかはまだ覚えていないので、色分けしたスイッチの上にカーソルが動く方この矢印が書いてあり、
それを確認しながら、指を移動させます。

移動方向と、押すボタンの判断は、最近では自分でできるようになりました。
ゆっくりですが、目的のボタンへ指を持っていくことが出来ました。

確実に覚えているのは、決定ボタンです。 縞模様のボタンで、自分で縞々ボタンと名づけています。
指を動かす様子を見てください。

4.頚椎カラー その3

平成14年8月19日
今回は、私がネットで調べて、病院に見本を取り寄せてもらい、それを試してみました。
アドフィットUDカラーという商品名です。

私がまず装着して感じたことは、ホールド性がよくあたり部分の痛みもありません。
ただ、構造上、横方向のホールド性は、今までに試したカラーと大差ないかもしれません。

早速、満理子に装着して訓練を始めました。
この、カラーの特徴は、前後の傾きを調整できることです。 訓練では、顔をやや下向きにしないとスイッチが見えません。
その点が、今まで試したものとの大きな違いです。
車椅子のヘッドレストをはずし、カラーだけでも、充分首位置を保てました。
30分くらいの訓練で、痛みはなかったようです。 そして、首の横へ傾きも、装着時と比べ大きな変化はありませんでした。
いまのところ、このカラーを第一候補に考えています。
アドフィットでもう1種類お願いしてあるので、それを試してどちらかに決めようと思っています。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

結果:
その後、同じアドバンフィット製のアドフィット・カラーという製品を試しました。
これは、横方向にもサポートできるもので、満理子の症状に有効だと思ったのですが、実際装着してみると、横方向のサポートは硬質ウレタンで作られており、満理子の緊張に耐えられず曲がってしまいました。 もっとも、頚椎損傷のために作られており、強い拘束力は必要ないのでしょう。
というわけで、前述のアドフィットUDカラーに決めました。

障害者手帳で支給される頚椎装具で申請をしました。 見積もりは40,633円です。
他のカラーと比べ、かなり高価ですが、やはりいろいろ試して、そのなかで一番いいと思われるものに決めてよかったと思います。
これで、今後のリハビリにも成果が期待できるでしょう。

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