病院仲間との交流

長く、つらい入院生活を何とか過ごせたのは病院で知り合った仲間のおかげがもっとも大きいと思います。
病気に対する知識も無く、付き添いの方法や入院している間の生活、先生や看護婦さんとの接し方、回復訓練の方法や回復への期待度等など、数え上げたら限がありません。

入院して手術までの半年間はICUと個室だったので、あまり知り合う機会も無く、また私に精神的余裕も無かったので交流はほとんどありませんでした。
そんな中で、看護婦さんから多分長期入院になるだろうから病院生活や床ずれ防止などを良くご存知の介護のベテランを紹介されて病室に入らせてもらいました。
堀川さんと言うその方は、お嬢さんが中学生のときに発病して10年以上在宅と入院を繰り返している方でした。
当時24歳くらいのお嬢さんは寝たきりで意識レベルもあまり良くない状態でしたが体格は良く体重も結構ありそうでした。 お母さんがつきっきりで介護をして移動や食事介助など全部一人でやっているそうです。
実際に使用している床ずれ防止法などを懇切丁寧に教えていただきました。
それからも、わからないことがあれば堀川さんに聞き、本当に心強かったです。
そのお嬢さんも、平成9年に他界されました。 それを聞いて、すぐに駆けつけたら、お母さんは「最後の親孝行をしてくれた」と泣いておっしゃいました。

手術を終えて、一般病棟に移りました。 その部屋は4人部屋で全員脳外科の患者で長期入院の超ベテランの方達で教えられることが一杯ありました。
特に
渡辺実さんと奥さん。介護暦7年。  
長塚路子さんとご主人。入院して5年。(写真真中) 
木村善行さんと奥さん。入院暦6年。(奥さん後列左)
別の病室の、江原敏子さんとご主人とお嬢さん。入院暦7年。(敏子さんとお嬢さん前列左) 
磐梨順子さんとお姉さん。介護暦7年。(後列右)
前列右は退院直後の満理子。

この方たちとは退院後も交流があり、励ましあったり情報交換したり、お互い助け合えることがあれば手伝いあったりしています。

これらの方達から教わったのは、まず、先の長い病気なのであせらないこと。 簡単なようでその心構えが出きるには結構時間がかかりました。
また、具体的には木村さんには食事訓練の方法や心構え。使用するオムツの種類や当て方、清拭の仕方、介護用品の購入方法など数え上げたら限がありません。
また、家庭問題でも悩んでいたので相談に乗っていただいたりと家族同様のお付き合いでお互いの恥も出し合ったりしていました。
もっとも患者にとって大事なことは家族の献身的な介護。 これは皆さん身をもってお手本になっていただいたので、家族がやるのが当たり前と言う感じになりました。 病院でも脳外科の患者と付き添いの評判は良く、ほかの病棟と比べて回復の度合いもいいということでした。

入院中にこの方達との交流で教わったことは退院後にも生かされて、精神的支えにもなっています。
お互いの立場や病状を一番理解してくれる方たちなので、どんな話でもし易く、分かり合えるのでこれから先もずっとお付き合いは続いていくでしょう。 どうぞよろしくお願いいたします。

 

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