家 事

満理子が元気だった頃はまったく家事をすることが無かった。
それは、満理子が私にやらせなかったためである。
意外と古風で面倒見が良かったので、男にはやらせなかったのです。

満理子が発病して、彼女がやっていた仕事をすべて引き継ぐ事になって始めて主婦の仕事量の多さに驚きました。
今までは私は仕事の事と遊ぶ事しか考えなくてよかったのです。
家事と言っても千差万別で最初はパニックに陥ってしまいました。
まず、財布は彼女が握っていたので入院してすぐお金の出し入れに困ってしまいました。
印鑑や通帳がどこにあるか判らない。 毎月の支払いはどこにしたら良いか判らない。 売掛金の請求はどうしたら良いか判らない。
病気の心配でそれどころではないのですが、それらはやっぱりやらなければいけないので本当に困ってしまいました。

とりあえず、当座の資金に定期預金を解約して現金を手元においておきました。
支払いは全部保留にして、どうしても欲しいところは取りたてに来た時に支払いました。
病院への支払いも半端ではありませんでした。 大体、月に40万円くらいになったのでお先真っ暗状態でした。(この分は国保で補填された)
その後、一年くらいしてやっと落ち着き金銭的には問題はなくなりました。

子供達がまだ小さかったので食事の面倒や洗濯、学校関係のもろもろ、掃除等等やることは山ほどありました。
最初は満理子の母親に頼んでいたのですが、いずれ自分達でやらないと行けないので基本的に全部私がやる事にしました。
入院中は付き添い、仕事、家事ととても大変でまったく時間が足らなかったのですが、退院後はその時の経験が生かされ段取りよくできるようになっていました。

家事の代表は食事の事ですが、一人暮らしが長かったので料理は何とかできます。 ただ、レパートリーが少ないのと子供達の好みが判らないので献立を決めるのにとても苦労をします。 これは、どこの主婦も同じ悩みがあるかも知れませんけど・・
後片付けも面倒です。 以前なら食後もだらだらして寝るまでお酒を飲んでいたので、食後すぐに動くというのはとても億劫でした。

掃除は部屋をできるだけ汚さないようにして回数を減らし、洗濯は全自動洗濯機に変えて干すだけなのでそれほど苦にはなっていません。

やはり、家事で一番大変なのは子育てです。 これについては別章で述べます。

おかげさまで、退院3年目になりましたが、何とか家事すべて(と言えるかどうか判らないが)ができるようになりました。
たまには休みたいと思う時もありますが、主婦は皆やっている事なのでがんばります。

 

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