長い介護生活で感じたこと
平成21年7月
 15年にわたる介護生活で、多くの方々の援助を受けて今の我が家があると思っています。その恩返しのつもりで立ち上げたNPOで障害者支援や制度へのかかわりなどの活動の中で、制度の変遷や裏事情を見て、感謝の気持ちが批判的な意見に変わっていく自分が辛くなってきたこの頃です。

 結論から言うと、満理子を守ってやれるのは自分だけだということを再認識しているのです。
 これは、今までフォローしてくださった方々を決して否定しているわけではありません。先にも書いたように今の我が家があるのはその方々のお陰だというのは間違いないのです。

 満理子の症状は、介護するのがかなり難しいのです。重度の高次脳機能障害と身体障害がなかなか理解されないのですが、今まで満理子のフォローをしていただいた方の中には十分に理解してくれた方が何人かいます。 その関係を通じて、とても良い信頼関係が出来、必要以上に頼ってしまうことが多くありました。 しかし、この業界は入れ代わりが激しく、特に女性の従事者が辞めてしまうことが多いように感じます。また制度や諸事情により止むを得ずに対応が変わってしまうこともあります。 結局、その良い関係は永遠に続くことは有り得なく、その度に私の中で間違った裏切られ感が残ってしまい、そして又新たな関係を築くのに大変なエネルギーを必要とします。 理解がなかなか得られないとそのエネルギーは不信感に変わりそれがストレスになってしまうようになりました。 そして、我が家の事情だけでは簡単に生活パターンを変えることもできません。(もっとも、これは介護家庭に限りませんが)

 これからも、いろんな方にお世話にならなければ成り立たない生活ですが、今は積極的に良い関係を築く努力をしなくなりました。 やはり、いい関係になった人と別れるのは辛いからです。
 だから、いつか誰にも頼らなくてもいい生活できるようにするのが私の夢です。

                                    続   く

さだぼん

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