ライオン・スマイル・コンサート

平成16年4月17日
 ある日、私が満理子と施設にいた時に、携帯のベルが鳴りました。 立川のよーこさんからの突然の電話でした。

 よーこさんのお母さんがクモ膜下出血をわずらい闘病されていましたが2003年7月に惜しくも他界されました。
そのような関係で、よーこさんとはネットを通じてお付き合いしていたのですが、介護の話題だけでなく、よーこさんはご主人の高Pさんと立川でCRAZY JAM(CJP)というライブハウスを主宰されていて、音楽の話題もよくしたのでした。
私の好きなジャンルも多いということで、いつか行きたい、土曜日なら行けるかなあなんて言っていたのでした。

 よーこさんからの電話は、イベントを考えているので、実現したら遊びに来ないかとのお誘いでした。
それから話がとんとん拍子に進み、イベントではプロのkurokoさんにご協力いただき準備がはじまりました。
kurokoさんは、ご存知のとおりお母さんが同じクモ膜下出血で療養中で、kurokoさんの立ち上げたホームページには同じ悩みを抱えた方たちが集まるようになりました。 よーこさんもその一人だったのです。
 よーこさんのイベントの主旨は介護ネットへのお礼と日ごろ病気や介護と戦っている方たちに憩いのひと時を提供することだったので、この方たちに参加を呼びかけたのです。 
イベントネームはkurokoさんにちなんでライオンスマイルコンサートとなりました。
その由来は、知る人ぞ知るです。

 イベント企画などはよーこさんとkurokoさんにお任せし、私は満理子を会場へ入れる方法を考えることになりました。というのも、よーこさんのライブハウスはビルの地下にあり、階段しかなかったのです。 よーこさんにお願いして、階段や通路の幅などを教えてもらい、写真も撮ってもらいました。
 それで、満理子がお世話になっている施設「あけぼの」でいろいろアイデアを出してもらい、実際にスタッフの方の協力を得てシミュレーションもしました。 
まず、車椅子ごと満理子を運ぶのは重量的に(あわせて130kg)無理があります。 そこで、満理子だけを何らかの方法で運ぶのですが、基本的に、滑り落ちる危険がないし、持つところがあるということで移動リフト用のスリングシートを用いることにしました。 
あとは、どうやって持ち上げるかでしたが天秤棒を使って二人で持ち上げましたが、重すぎて鉄パイプが曲がってしまい、丈夫な棒でも地下まで体力が持ちそうもありません。 結局、人海戦術が一番ということで女性を含め4人で持ち上げました。
一人一人の負担はそれほどでもなく、フックベルトがあるので意外と運びやすかったです。 階段昇降もうまくいきました。
あとは、現地の長くて急な階段に体力が持つかどうかです。

あっという間に、コンサートの日になりました。 週間天気予報ではあまり期待できなかったのですが、さすが晴れ女の満理子は予報を覆し、初夏の陽気となったのです。 急遽、半そでの服を引っ張り出す羽目になりました。
茨城の取手から立川まではざっと100km。 首都高の混雑が予想されるので、3時間くらいの行程になります。
1時から開催なので、家を9時半に出発。 予想通り、高速は大渋滞!(渋滞に慣れていないので、普段どおりなのかも)
 立川には予定通り12時に到着。 車を止め、地下のお店に行ったところ、入り口にいた男性(実はよーこさんのご主人の高Pさん)に到着を知らせ、すらっとスタイルのよい美人のよーこさんと御対面となりました。  しっかりと握手をして、簡単なご挨拶をし、そして、今日の満理子のために控え室として用意していただいた同じビル内にあるマンスリーマンションの一部屋にひとまず落ち着きました。 そこで、下の世話と軽い食事、そして休憩をさせてもらいました。
休憩室を用意していただいて、本当に助かりました。 ウチのほかにも赤ちゃんや障害を持った子供さんのお世話や、落ち着いておしゃべりする場にもなりました。 細かいご配慮、本当に感謝します。
おニューの服と専売特許の介護スカート。
この日のために友人のkacoさんに作ってもらいました
用意していただいたベッドで一休み  そしてみんなと歓談
一休みした後、時間になったので、いざお店へ行くことになりました。
1階の入り口の前で、車椅子上でスリングシートをセット。(方法はここを参照) そして、車椅子を先に下へ運ぶ。その間、簡易ベッドで待機しました。 そして、6人がかりで、えいやっと持ち上げる。 一人当たり約12kgになります。 階段、通路が狭いので少し歩きにくいところはありましたが、思った以上にうまくいったと思います。
移動に協力していただいたCJPの皆さん、そしてシンガーソングライターの浅野さん、これから歌わなくちゃいけないのにいきなり力仕事をお願いしてすみませんでした。
いざ、地下へ!車椅子をまず下へ運び、その間、簡易ベッドに移動。スリングシートを6人で持ち上げる。
手が痛くなるので、滑り止め付軍手を用意。
家庭の階段より幅があり傾斜もゆるいので、思ったより楽に降りることができた。 しかし、お店に入り車椅子に座らせたところで、汗だくでした。
帰りはその逆で地上へ昇る。

CJPの皆さんそして浅野さんどうもありがとうございました。

 下へ降りると、もう全員揃っていて、改めてご挨拶を交わしました。 お台場以来久しぶりに会ったkurokoさん、そして今回はじめてお会いするトトロンファミリー、SORAさん、GAPPAさん、遠路大阪から参加のさるっちさん。 やっと、念願がかなって会えました。


 さて、いよいよライオンスマイルコンサートの始まりです。
kurokoさんの司会で進行します。 最初に今回の企画者であるよーこさんからご挨拶。 そして、不肖さだぼんが乾杯の音頭をおうせつかりました。

 最初は、このライブハウスを中心に活動をしているコーラスグループのCJP VOICESの登場です。
いきなり、迫力のあるゴスペルに度肝を抜かれました。 歌唱力も声量もすごい! その上、ボーカルの女性の背中には、すやすやと眠っている赤ちゃんが! その後、レットイットビーや風になりたいなどのメドレーを堪能しました。 歌っている方たちもとても気持ちよさそうです。 
 
 次は、トトロンファミリーの登場です。、後ろで お父さんがベース、お母さんがピアノを弾き、主役はミニトロ君と小学1年生になったばかりのミクロちゃん。 ふたりともかわいい!
最初はミクロちゃんの演奏の予定だったのですが、緊張のせいか、司会のkurokoさんが怖かったのかちょっとべそをかいちゃいました。 すると、お兄ちゃんが、じゃあ僕からやると優しいお言葉。えらい!!  演奏も堂にいったもんです。満理子はミニトロ君の演奏を聞き感動してウルウルしてました。
 続いて少し落ち着いたミクロちゃんの演奏。 やっぱり、かわいい。 ここでも優しいお兄ちゃんがずっとそばで見守っていました。
家族で音楽をやるっていいですね。 お父さんは、学生時代バンドをやっていてすごくうまかったです。 
お父さんはイベントの後、よーこさんにスカウト?され、結局、夜のセッションにも参加することになりました。
その後、「世界に一つだけの花」をミニトロ君の指導で振り付けを習い、飛び入りでSORAさんとさるっちさんが参加。そして、みんなで大合唱しました。 もちろん、振り付けも。
CJP VOICES (ム−ビー ミニトロくん ミクロちゃん グループ名は?
いよいよ、よーこさんの登場です。 演奏はジャズピアニストの宋のぶひこさんです。
ジャズのスタンダードをすばらしい声で聞かせてもらいました。 聞き入ってしまって、写真がない! ムービーをご覧ください。

よーこさんの歌を堪能したところで、ちょっと一息。 ここで、じゃんけん大会になり勝った人には豪華商品があるとのこと。 最初の商品はなんとDVDプレイヤー! みんな、急に欲深い顔になりました。 軽妙なkurokoさんの司会で大盛り上がり! 私もやる気満々でどんどん勝ち進み、なんと最後の勝者になりました。  みんなの羨望のまなざしを感じながら商品をありがたくいただきました。
kurokoさんからは、今年の運を全部使い果たしたでしょう、と突っ込まれましたが、正月には雑誌の懸賞にも当たり、まだまだ運はいっぱいあると思っています。  次の商品には、当然私には権利はなく、ほかの方たちの間で戦われました。 ここでも、トトロンファミリーのやさしさが浮き彫りになりました。 

大騒ぎの後、しばし、初めてお会いした方たちと談笑。 そして記念撮影。 
念願がかないました かっこいい浅野さん(ムービー のってます
今日のメインイベントになりました。 立川をベースに活躍されている作曲家の浅野佑悠輝さんのライブです。 浅野さんは多くのミュージシャンに楽曲を提供されていますが、ご自分でもライブ活動をされています。
宋さんのピアノも加わり演奏が始まりました。 すばらしい歌声にうっとりです。 本物を聞かせてもらったという感じです。 しっとりとした曲が続いた後、VOICESが加わって、浅野さんが作ったNHK「お江戸でござる」のテーマソングでまた大騒ぎになりました。


あっという間に時間が過ぎ、お開きの時間になりました。 名残惜しくて話がつきません。 満理子の下の世話もあるので、控え室にみんなで行き、しばらく話し合いました。 そしてライオンコンサートを絶対にまたやろうと意見が一致し、再会を誓いました。
kurokoさん御一行は2次会に向け一足先に出立した後、よーこさんとまたしばらく夢などを語り合い、立川を後にしました。

 
帰ってからも、心地よい余韻が残りふわふわした気分でした。 この1日は、私たち夫婦にとってとてもいい思い出になりました。
満理子には、最高の脳への刺激になり、私は忘れていた青春を取り戻したような気になりました。
 今回、このライオンスマイルコンサートを企画してくれたよーこさん、そして、いい仲間を作ってくれた名司会者のkurokoさん、悩みや楽しみを分かち合ってくれたトトロンさん、GAPPAさん、SORAさん、さるっちさん、本当にありがとうございました。

 そして、陰で支えておられた御主人の高Pさん、力仕事と最高に盛り上げてくれたVOICESのメンバーさん、そしてすばらしい演奏と歌を聞かせてくれた宋さんと浅野さんに感謝いたします。

皆さん、本当にありがとうございました!!

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