かんぽの宿いわき
最後の家族旅行

平成17年7月5日

 満理子が退院して以来、ほぼ毎年家族4人で旅行に行っていました。 未だにウチでは何か大きなイベントの時は家族全員揃って行っていました。 と言っても、初詣とお祝い事、そして旅行くらいですけど・・
 現在、息子は大学4年生で卒論作成と就職活動が主な仕事です。 6月に某非鉄金属製造会社に就職が内定しました。 そこは、本社は東京ですが、工場・支店は東京以外の地方にあります。 入社すると3年間は研修のために工場勤務になるそうです。 と言うことは、3年後に本社勤務になるまでは家から出ることが確定です。 以前から息子は地元志向が強かったので、家を出ることはないと思っていたのですが、本人の意思で就職先を選択し、決めたのです。
 満理子が入院中、当時小学校5年生の息子とほぼ毎日一緒に付き添いをし、男同士の話をじっくりしました。 その時に私の趣味を押し付けたおかげで退院後も一緒にバイクに乗りに行ったり、ゴルフしたりと一緒に行動することが多く、現在に至るまで一緒にいる時間がかなり多かったのです。 その、息子の就職が決まり、家を出ることになり、一抹の寂しさを感じました。 二人の子供は、異常な家庭生活の中、曲りなりに成人し、ひとり立ちする時期になったのです。 以前にも書いたのですが、満理子の発病でオタオタしたのは父親で、子供たちは意外にも強く、困難を自分たちで解決していったと思います。 もう、親離れ・子離れの時期になり、親の責任を果たし終え、これからは夫婦だけの人生のことを考えればいいので負担がなくなります。 その反面、やっぱり寂しい感は否めません。
 息子の入社までに何か記念を残そうと思い、家族旅行を思い立ちました。 と言っても遠いところへ行く余裕もなく、どこか近場でいいところはないかと考えているとき、NPOの仲間が職場の研修でかんぽの宿いわきに行かれ、バリアフリーが整っていることを聞きました。
 早速、3週間前に問い合わせたところ、うまく障害者対応室の7月5日に予約ができました。 ひとつ心配なのは、梅雨の真っ只中ということです。
 さて、あっという間に、旅行日当日になりました。 それまで、今年立ち上げたNPOの仕事が山積みで、ちょっと頭がサチっている状態だったので、いいお休みになりそうです。
 天気予報は曇り時々雨でしたが、空は明るく雨の心配はなさそうです。 午前中NPOの会議に参加し、その後、家で簡単な昼食を済ませ子供たちは宿で食べるおやつと飲み物を買いに行きました。いつも旅行の時はおやつ、飲み物は持ち込みです。 
  午後2時に出発です。 いつも旅行に行く時の恒例行事として、バルサンを炊いて玄関の鍵をかけました。 
 今日は、どこへも寄らず、一路宿へ直行です。 バーゲンで買ったナビ(6年前の地図ソフト)に惑わされながら、約2時間で到着。 
 いわきに近づくにつれて霧が発生し、見通しが悪くなってきました。 宿は全室オーシャンビューですが絶景は見られそうもありません。
チェックインをして障害者対応室の401号室に向かいます。 預かった鍵は開・閉と書いたリモコンスイッチです。 部屋の前で、よく分からないながら、「開」のスイッチを押すと、ガチャっとロックが解除されなんとドアがウィーンという音で自動的に開いたんです。 車椅子使用者が出入りしやすい配慮ですね。 部屋に入った正面にロッカーがあり、クランク上に曲がっていくと左に和室(仕切りはない)と右側にベッドがありました。 広さはまずまずで、車椅子での使用に問題は有りません。 ただ、入り口を入ったところが狭く曲がっているので、ウチのような巨大車椅子はちとしんどいです。

 まずは、満理子のシモの世話をやる必要があるので、ベッドに落ち着かせます。事前に障害者対応室の情報を得ていなかったので、とりあえず図の普通ベッドにいつものエアーマットをセットして寝かせ、作業を行いました。
 作業を終えてなんとなく上を見ると、レールが走っています!! その下を見ると介護ベッドがちゃんと備えてあるではありませんか!!
かんぽの宿いわきの正面 旅行用のリクライニングエアーマット 天井走行リフト 介護ベッドとナースコール
かんぽの宿いわき 簡易リクライニングマット 天井走行リフト 介護ベッドとナースコール
 介護ベッドがあると無いとでは、労力がまったく違います、早く気がつけばよかった。 高さ調整付のベッドがあれば、移動も楽にできます。 でも、せっかくリフトがあるので、報告のためにも借りることにしました。 フロントへ電話してリフトの借用をお願いすると、用意できたら電話するとの回答。 なんと無く変な雰囲気です。 30分くらい経ったころに電話があり、用意できたので持ってきてくれるとの回答でした。 たぶん、利用者が少なく、探すのに手間取ったようです。  メイドさんが本体とスリングシートと取り扱いビデオを持ってきて、ビデオを見ながら設置を始めたので、取り扱いは知っているからとお断りしました。 やはりリフトを使う人はいないようです。 持ってきてくれたリフトはかゆちゃんち竹虎製のカルガルでした。 せっかく持ってきていただいたので、一度だけ試してみました。
 食事までに時間があったので、まずは一風呂!! ここは天然温泉で露天風呂もあります。 今回も満理子にはお風呂は我慢してもらうことにしました。
夕定食
いろんな種類の浴槽があります 大浴場 露天風呂 夕定食
リフトに試乗 トイレ行きと風呂行きの分岐 介護用品が整った風呂 残念ながらペーパーホルダーが
普通のものだった・・
 息子と一緒に早速大浴場に行きました。 まずは、露天風呂。 利用していた人は4,5人だったので、のんびりと湯を楽しみます。 次に中に入ってジャグジーや寝湯、うたせ湯・・と全部の湯を楽しみました。
 温まった後は、部屋に帰って、まずビール(家から持参)。
 夕食の時間になり、レストランへ行きました。 平日とあってあまり多くのお客さんはいないようです。そのお客さんも高齢者の方が多いようです。 夕食は4ランクから選択できましたが、ウチは一番安いものをお願いしたのですが、量も内容もまあまあでした。
 食事を終え部屋に戻って、焼酎を飲みながら皆でわいわいがやがや・・ 満理子もベッドに入らず車椅子のまま、しばしの団欒を楽しみました。
 
 翌日、いつもと同じ5時半に目覚めました。若干の二日酔いで頭が痛い・・ 早速、朝風呂に入りに行きました。 満理子も子供らもまだ爆睡中です。 じっくりと温まり、汗とともにアルコールを搾り出しました。 温まったので、部屋に帰って朝ビール・・・アル中やな。
 まだ、みんな、爆睡中です。 窓から外を見ると結構雨が降っていて、今日もオーシャンビューは望めません。
 7時半ころに、みんなごそごそ起きだし、朝飯に向かいました。 朝飯はバイキングです。 いろいろな種類があって、ふだんの3倍くらいの量を食べたような気がします。 娘は4倍くらいかな。
 食後、だらだらとした時間を過ごし(これも旅行ならでは)、今日の予定を考えました。 とりあえず、知識がないので帰り道にある観光スポットに行こうということにしました。
食後の団欒 朝5時半 朝のバイキング オーシャンビュー??
 10時半にチェックアウトし、出発。そのころにはなんと雨が上がっていたのです。さすが晴れ女”満理子ビーム”
 料金は4人で36、000円ほどでした。 障害者手帳があると簡保の加入者と同じ条件で利用できます。
 まずは、海岸沿いの道を小名浜港へ。 いわき・ら・ら・ミューと言う観光地らしい名前だけで行ってみることに。 大きな看板があり、大きな駐車場に入ると海産物のお店がいっぱい。 お土産スポットでした。 興味がないので、写真だけ撮って素通り。 すぐその先に、ふくしま海洋科学館・アクアマリンリンふくしまというところがあり、行って見ることに。 なんとも、行き当たりばったりです。
 駐車場に車を止め、正面入り口へ。 かなり大きな施設です。 名前から、なんとなく水族館であろうと予想はできました。
 入場料は障害者と付き添いは無料でした。 まず、一気にエレベーターで4階まで上がります。 そこから、徐々に降りながら展示を見るそうです。
 一番上は、川の源流を模擬して、そこに生息する魚や生物、植物が配置されていました。 その先は、巨大な水槽。 回遊魚の群れやエイなどが泳いでいました。 水槽の壁面を掃除しているのも見れました。そして巨大なトドやゴマフアザラシ、オットセイ、ラッコなどの海獣類。
 次のフロアは情報や体験フロアでした。 漁業の進化のジオラマや魚探の仕組み、朝取りのプランクトン・・ その中でも、伝馬船の操縦シミュレーターは傑作でした。 娘と息子が挑戦し、櫓をこぎながらモニターに移っている障害物をよけながらゴールに向かうものです。 ろくに漕ぎ方も知らないのに、結果は「よくできました」が出ました。
 そのあと、いろんな魚を見て最初の巨大水槽のそこにあるトンネルをくぐって、一巡りが終わりました。 なかでも、ちんあなごが大うけで、娘はちんあなごのぬいぐるみをたくさん買って帰り、流行らそうとしていました。
正面入り口 川の源流 水槽の清掃、目があってる 娘とゴマちゃんのツーショット
伝馬船操縦シミュレーター 魚探の原理 上の写真の水槽のトンネル 満足満足
 アクアマリンを後にし、勿来の関、六角堂に寄りましたが、どちらも車椅子では見学できず、雰囲気だけ味わって、そのまま常磐道に乗って帰路に着きました。 
 たった、一泊の近場の旅行でしたが、私にはとてもいい気分転換になりました。 子供たちも、いっぱい笑った旅行になったし、満理子にも刺激になったと思います。 あまり、思い出を大切にしない家族ですが、心に残る旅行になったと思います。

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