NHKテレビ出演

平成15年7月8日(火)

1.ビデオレター

4月の半ば頃でしょうか、NHKのディレクターから突然テレビ出演のメールが入りました。 
とりあえず、話だけでも聞こうと言うことになり、数日後、そのディレクターさんがウチへ来られました。
なんと、大型バイクでの来訪で、まだお若いさわやかな青年でした。

満理子を交えて、番組の主旨を聞いてみたら、NHK教育の福祉ネットワークで食事についての特集をするのだけど、ウチのホームページの中のお箸の訓練を見て、ぜひでて欲しいと言われたのです。
しかし、そこでは自分でお箸を使って食べるところを見てもらいたかったようで、ウチの場合、お箸は単なる運動訓練で実際には自分で食べることができません。
というわけで、この話はなくなってしまったのですが、すっかりそのディレクターさんとうち解けて話が弾み、予想外に気楽で明るい介護生活におどろかれ、この様子をぜひ、放送したいということになり、気が進まないなりに承諾してしまいました。

その後、その方はちょっとした病気で入院し、引き継がれた女性ディレクターと連絡を取り合うようになり、近く行われるお台場でのオフ会に、その方も参加し、そこでビデオカメラを渡されることになりました。

編集日が決まっているので、次の週に私本人が、ディレクター兼カメラマン兼出演者として、ウチの様子を撮影し、NHKにテープを発送しました。
4時間にわたる記録は編集されて3分ほどのエアーになりました。
一応、私としては、在宅介護は周囲の協力と工夫と慣れ、そして家族の和があれば、そんなに大変じゃないということを言いたかったのですが、どれくらい伝わったかは疑問です。

まあ、実際の映像をごらんになった方はご存じだと思いますが、ほとんどパジャマ姿の私と、何となく不自然で暗い雰囲気の夕食風景しかなかったのでお恥ずかしい次第です。

2.スタジオ収録

先の放映の数日後、バイクディレクターから、又電話があり、今度はスタジオでの撮影に参加してくれないかという話が持ち上がりました。
前回は家での撮影だったし、自分で撮影したので気楽にできたけど、今度は、まったくそのような場の経験のない私はちょっと2の足を踏みました。
しかし、熟慮の末、今の自分の活動も考え、これからは積極的の外へでる必要があると考え、修行と社会見学をかねて依頼を快諾しました。

その番組は、先に放映された「介護の達人」の総集編で四夜連続の番組収録だそうです。
内容は、実際に在宅介護している介護者10人と満理子がスタジオに集まり、介護方法に関する質問をし、その回答のおかげで達人になるというコンセプトです。

あらかじめ質問を考えそれをお伝えしたのですが、今回の番組では不適当ということになり、NHKが用意した質問になってしまい、ちょっと不本意でしたけど、視聴者の代表という立場で質問をして欲しいと言われたのでとりあえず納得することにしました。

本来は、介護家族だけの出演だったのですが、満理子を一人家に置いていけないので、相談すると福祉タクシーを手配してくれ、ついでに一緒に出演するということになってしまったのです。
最初は、満理子は控え室で待っている予定だったので、付き添いに娘も一緒に行くことになっていたので、休みを取っていた娘まで一緒に行きました。
さすがに、娘は出演したくないと言うので、スタジオ見学だけになりました
たぶん、あまり予算のない番組で福祉タクシーまで準備していただき感謝しました。

さて、収録日当日、お昼の12時半にタクシーが家まで迎えに来ました。
満理子はちょっとよそ行きですがすっぴんのままです。 私は普段着のまま。 出演しない娘だけがしっかりメイクをしています。
3時に渋谷の放送センターに到着の予定が意外と道路が空いていたので2時過ぎに到着。
打ち合わせ室に案内されましたが、ウチが一番でした。
そして、満理子のために、毒蝮三太夫さんの控え室の隣に個室の控え室まで用意していただきました。 

しばらくすると、出演の介護者の方々が到着。 皆さん、それぞれ、この番組の介護方法指導に登場された方ばっかりのようです。
知った顔の方もいらっしゃいました。 ビデオでの出演経験はウチだけだったと思います。
バイクディレクターさんから台本を配られ、説明を受けました。 番組を円滑に進めるために、あらかじめ用意した段取りとせりふで進めていただきたいということです。
福祉タクシーでNHK放送センターに到着 満里子様控え室 セット
満理子も定位置へ ゲストと直前の打ち合わせ スタッフ
3時になり、スタジオに入りました。 スタッフの方たちがあわただしく動き回り、セット周りだけが異常に明るくなっていました。
娘も一緒にスタジオに入り、撮影風景を見学することになりました。
私たちゲストが定位置に座ると、司会の渡辺アナウンサーと毒蝮さん、そしてコメンテーターの県立医療大病院長の大田先生が入ってこられました。
若干のうち合わせ後、収録に入りました。 緊張している私たちを、毒蝮さんは巧みな言葉で気持ちをほぐしてくれます。
四夜連続放送分を一気に収録するということで長時間にわたる作業になります。
一応放送の流れ通りに進行していくのですが、あとで編集するということなので、いろいろ裏の場面を目撃でき、結構面白かったです。

予定通り、それぞれの質問に対して、今まで放送したビデをを参考にし、ゲスト達はその方法に納得するという設定です。
そして、大田先生が詳しく補足説明をしてくれるわけです。

いくつかの駄目出しと予想以上の時間消費、そして機械のトラブルなどで、二日分の収録だけで約四時間、7時までかかってしまいました。
満理子は車椅子に座りっぱなしで、そろそろ限界です。 ある程度予想されたので、ウチは2日分の収録だけで途中で帰らせていただくかも知れないということは、あらかじめ言ってあったので、他の方達には申し訳なかったのですが、帰らせてもらうことにしました。
せっかくなので、毒蝮さんと記念撮影をお願いしたところ、快く引き受けていただき、その上おみやげや、毒蝮さんが用意していたおにぎりまでいただきました。
手配しておいた福祉タクシーまでチーフプロデューサーがわざわざ見送りしていただき、放送センターをあとにしました。
車中でNHKが用意してくれたサンドウィッチと毒蝮さんにもらったおにぎりで夕食とし帰宅したのは9時を過ぎていました。

この収録では毒蝮さんの人柄や、介護に関する知識の深さや、プロのスタッフの仕事の見事さと大変さなどに驚かされた次第です。
そして、コメンテーターの大田先生とは地元つながりと言うことで、休憩時間にはたっぷりお話しができ、そして、先日亡くなられたN先生の話題で盛り上がったことがとてもうれしかったです。

滅多に経験できないことだったので、疲れたけど非常に楽しい1日になりました。

 

収録日の数日後、毒蝮さんが我が家の近くのスーパーに、ラジオの生放送で来られ、再会しました。
毒蝮さんは、放送中に私たちを見つけ、収録のことなどを話題にされました。
放送が終わったあと、あの日もらったおにぎりのお礼を言い、上の写真の使用に快諾をいただきました。


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